第4話 ソロモン王の入場
2008年 07月 04日
1楽章の、例の部分です(笑)
◆シバの女王ベルキス 第4話:ソロモン王の入場
「王さまがおいでになります。」
召使いの一人が号令をかけると、まわりの召使いや兵士たちは
慌しく動き出し、次々と整列している。
目の前に立ちはだかる大きくて重そうなとびら。
とびらの向こうの王さまに早く会いたい・・・
ベルキスは緊張した表情でとびらの前に立っていた。
すると、どこからともなく無数の鐘の音が聞こえてきた。
その響きは次第に大きさを増し、ゆっくりとこちらへと近づいてくる。
シャーン、シャーン、シャーン、シャーン・・・
鐘のような、鈴のような音がいっぱいに鳴り響くと
力の強そうな兵士の数人がとびらの前へやってきて、
召使いの出す合図をじっと待っていた。
いよいよソロモン王に会える・・・
王を迎えるファンファーレが鳴り響くと
合図に続いて兵士たちがゆっくりととびらを開けた。
ベルキスの目の前に広がるのは
はるか先まで続く赤くて立派なじゅうたんと、
その両脇にずらりと並ぶ兵士たち。
ベルキスは息をのんだ。
そのじゅうたんの向こうから
まばゆい光を放つようにしてやってくる行列。
そして次の瞬間、ベルキスは稲妻のような衝撃を受けた。
ソロモン王だ。
ベルキスはそのきらびやかさと力強さに圧倒され、
まっすぐな瞳でソロモン王を見つめていた。
第5話に続く